頭痛について ①

私の実家がある九州に台風が接近しつつあるようで、自然災害・気象情報には気が抜けない今日この頃です。

 

 

 

ところで、台風が近づくと、頭痛やめまい、関節痛、しびれなどを発症したり、症状が悪化することはありませんか?

 

 

 

その不調は「天気病」や「天気痛」などと呼ばれ、自律神経の不調と密接に関係しています。

 

 

 

「気象病」について、詳しい機序は不明ですが

 

 

 

経験的に、天気の変わり目(気圧変化など)が人体の健康に影響を及ぼしていることは、お気づきの方も多いでしょう。

 

 

 

東洋医学の古典では、すでに二千年以上前から気象によって様々な不調が起こることが書かれており、気象病のような症状にも対応策があります。

 

 

 

そこで今回は、気象病の症状の中でも、悩まされている方が多い「頭痛」に注目してみることにしました。

 

 

 

西洋医学、東洋医学の両見地から「頭痛」の分類と治療について書いていきたいと思います。

 

 

 

 

 

まず西洋医学からみた「頭痛」の分類ですが、国際頭痛学会では頭痛を「一次性頭痛」と「二次性頭痛」に大別しております。

 

「一次性頭痛」とは慢性頭痛あるいは機能性頭痛と呼ばれるもので、原因となる他の病気がなく、繰り返しおこる頭痛を指します。「二次性頭痛」はくも膜下出血や脳出血、髄膜炎、脳腫瘍など他の病気が原因で起こるもので、命に関わるような頭痛を指します。

 

 

 

ここでは気象病で起こる頭痛、一次性頭痛について詳しくみていきます。

 

 

 

一次性頭痛は主に「緊張型頭痛」「片頭痛」「群発頭痛」の3つに分類されます。

 

 

 

片頭痛:

何らかの理由で脳の血管が急激に拡張して起こります。脳の血管が拡張することで、周囲の三叉神経を刺激し、刺激で発生する炎症物質がさらに血管を拡張して片頭痛を発症します。

 

心身のストレスから解放されて、ホッと気を抜いた時に片頭痛が起こりやすくなります。その他、寝過ぎ、寝不足、女性ホルモンの変動、空腹、疲労、光や音の強い刺激なども誘因とされています。

 

片頭痛が起こる直前には肩こりが出ることもあり、こめかみから目のあたりがズキンズキンと心臓の拍動に合わせるように痛みます。頭の片側だけが痛いとは限らず両側が痛むこともあり、日常生活に支障がでることもある発作性の頭痛です。

 

体を動かして頭の位置を変えるとき、痛みが強くなる特徴があります。また、頭痛以外に吐き気、嘔吐などの随伴症状があり、光、音、におい、気圧や温度の変化に対して敏感になることも特徴です。

 

時には「チカチカ」光る点が見える(閃輝暗点)などの前触れ症状が見られることもあります。

 

いったん痛みだすと4~72時間続き、1か月に1、2度、多い人では週1回と周期的に繰り返します。

 

治療の主体は薬物療法です。急性期治療と予防療法では使用する薬物が異なります。

アセトアミノフェン、NSAIDs、エルゴタミン、トリプタン、制吐剤などが症状や重症度に応じて処方されます。

 

 

 

緊張型頭痛:

筋緊張性頭痛、筋収縮性頭痛とも呼ばれ、こめかみ辺りの筋肉や、肩や首の筋肉が緊張することで起きます。筋肉の緊張で血流が悪くなった結果、筋肉内に老廃物がたまり、その周囲の神経が刺激されて起きる痛みです。

 

緊張型頭痛を引き起こす原因は、精神的・身体的ストレスであることが多く、パソコンの操作などで長時間同じ姿勢を取り続けている人に起こりやすい病気です。また、筋肉の緊張ではなく、うつ病など心の病気が原因となる緊張型頭痛もあり、「片頭痛」と併せ持つ人もいます。

 

後頭部から首筋を中心に頭全体がギューッと締め付けられるように痛みます。一般的に片頭痛より頭痛の程度は軽く、寝込んだり嘔吐するなどの症状はありません。

 

治療は、NSAIDsなどの消炎鎮痛薬などが主となります。また、予防薬として抗うつ薬や抗不安薬、筋弛緩剤などが処方されます。

 

 

 

群発頭痛:

原因には諸説あり、未だメカニズムが解明されていません。

 

片目の奥をえぐられるような激しい痛みが1~2か月間、連日連夜起こるのが特徴です。また、片頭痛は動くと痛みが強くなるのに対し、群発頭痛は激しく動くと痛みが和らぐため、痛い時に暴れたり、壁に頭を打ち付ける方もいるようです。

 

痛みの発作は、1~2か月過ぎるとまったくなくなりますが、通常は半年から2~3年後に同じような痛みが周期的に起こることが多いようです。

 

治療は、スマトリプタン皮下注射や酸素吸入も有効とされています。薬物療法以外には神経ブロック療法がおこなわれることもあります。

 

 

 

 

頭痛の大多数が一次性頭痛に分類されるものですが、医療機関で検査をしても異常が見られないため根本的な治療が難しく、消炎鎮痛剤などを服用して痛みを抑えているという方が少なくないようです。

 

それなら東洋医学は頭痛とどう向き合うのか…

 

次回は頭痛の東洋医学的分類を書いていきたいと思いまっす!