2019年 3月

桜、満開です。

 

今週の土・日曜にお花見に行かれる方も多いのではないでしょうか?

「花冷え」と言われるように、この時期は意外と気温が下がるので防寒対策はぬかりなく!

平成最後のお花見を楽しんで下さいね(*゚ー゚)ノ

 

 

 

では、前回の続きとなります、不眠症を東洋医学からみてみたいと思います。

 

東洋医学では不眠症を「不寐」「失眠」「不得眠」「目不瞑」と呼びます。日常的に正常な睡眠が得られないという症状のことをいいます。なかなか寝付けない、夜に何度も目が覚める、睡眠中に目が覚めてから眠れない、早朝に目が覚めるなどの症状がみられます。

 

 

原因はというと、明の時代に書かれた≪景岳全書≫では

 

不寝はただ邪正の二字を知り、すなわちこれに尽きるなり。

神が安定すれば眠れる。神が不安定ならば眠れない。

神を不安定せしめるものは邪の擾か、営気の不足。

 

 

つまり、不眠は邪気によって神(精神・意識)が擾乱されるか、神(精神・意識)を安定させる栄養分である営気、血が不足して神を養えないかのどちらかで起こる、という訳です。

 

東洋医学では五臓の「心」が思考・精神・意識の中枢とされますので、不眠症の根源は「心」にあり、この心の不安定が眠れない大きな原因と考えるのです。

 

過度の心配や考えすぎなどで「心」と「脾」(精神系と消化器系)の損傷に及ぶと、気血が虚弱になり精神の安定が保てなくなります。その結果、不安感や気分の落ち込みなどを感じ、熟睡しにくくなります。

 

また、過労や生活の不摂生などによる「腎」への負担で腎陰(体液の総称)を消耗したり、偏食や暴飲暴食により体内に湿痰(余分なお水が煮詰まったドロドロの不要物)が溜まったり、ストレスやイライラで「肝」に負担がかかり気の巡りが悪くなったり…というようなことがあると体内で熱を生み、その熱は体の上部に影響します。すると、イライラや憂うつ感、体のほてりなどを感じて寝つけない、あれこれ考えて眠れなくなる、などの症状が出現します。

 

針灸は臓腑の不調を調整し、乱れた自律神経を安定させる効果があるため、不眠症の治療にも有効です。

不眠でお悩みの方はぜひ一度試してみてはいかがでしょうか?

3月18日は睡眠の日

精神・神経科学振興財団は、世界睡眠医学協会が定めた「世界睡眠デー(3月18日)」と日本独自の「睡眠の日(9月3日)」を合わせて、春と秋の年2回を「睡眠の日」としているそうです。

 

さらに、その前後の各1週間は、改めて睡眠を考えよう、という睡眠健康週間と呼んでいます。

 

 

睡眠といえば、春は「春眠暁を覚えず」ですが、「暁まで眠れず」の方も多いようで

日本人を対象にした調査では5人に1人が不眠に悩まされているとか。

 

患者さんからも「眠れない」とのお声はよく聞きます。

 

そこで今日は、不眠症について書いていきたいと思います。

 

 

現代医学的には、不眠症の定義として

 

①:入眠障害、中間覚醒、熟眠障害、早朝覚醒の訴えがある

②:①の愁訴が週2回以上かつ、1ヶ月以上続いている

③:苦痛もしくは日常活動に影響を与えている

 

上記の3つの条件を全て満たす必要があります。

 

 

原因としては大きく5つあり、

 

・環境要因:周囲の騒音、暑さや寒さ、明るさなど
・生理的要因:時差ぼけや、交代制の勤務などで昼夜が逆転することなど
・身体的要因:病気や、それに伴う痛みなどの症状によって引き起こされる
・精神的要因:悩みや心配事、精神的なストレスなど
・生活習慣要因:過度の飲酒や喫煙、カフェインの過剰摂取、薬の副作用など

 

が、挙げられます。

 

 

主な治療法としては、

・薬物療法

睡眠薬。抗不安剤や精神安定剤が処方されることもある。

 

・非薬物療法

 不規則な生活習慣や、就寝前の飲食、嗜好品についての改善指導があり、それでも効果がみられないようであれば、高照度の光を照射することで、ずれてしまった睡眠のリズムを正しいものに変える《高照度光療法》や、認知行動療法のひとつである就床時間と実際に身体が要求する睡眠時間との差を減少させることを目的とした《睡眠制限療法》など

 

の二つ。

 

 

 

睡眠薬を服用することへの抵抗感からか、不眠で医師を受診する方は意外にも少ないようです。

現に睡眠薬には、翌朝への眠気の持ち越しや、健忘などの副作用があります。また薬物の連用による依存性や、量を増やさないと効かなくなってくる耐性なども表れます。

 

睡眠薬は飲みたくない。けれど、満足のいく睡眠をとりたい…

 

じゃあ、東洋医学ですね(☆ω☆)゚

 

次回、不眠症を東洋医学から見てみたいと思います。

 

つづく。

今回は花粉症シリーズ(治療編)ということで、当院で行っている花粉症の耳鍼治療について書いていきたいと思います。

 

耳鍼とは中国で昔から行われていた耳ツボを刺激する治療法です。

 

耳にはツボが特に集中していて、刺激しやすく効果が現れやすいのが特徴です。

耳ツボはダイエットなどへの効果が有名ですが、肩こり、腰痛から内臓の機能調節など様々な症状に用いられます。

去年NHKの番組で、アメリカ空軍が採用する痛みに対する鍼治療として、耳鍼治療を行う様子が放送されていました。放送がきっかけで、耳鍼を知った方も多いのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

当院で使っている花粉症の耳ツボは、

 

内鼻、外鼻  ― 鼻づまりなど鼻の症状緩和

― 呼吸器の機能を活性化

― 消化器の機能を活性化

腎上腺 ― 腎や副腎の働きを整える

風渓 ― 過剰なアレルギー反応を抑える

交感 ― 自律神経の調整

 

内服薬との併用もできますので、花粉症でお悩みの方はご相談下さいね☆