2019年 9月

拝啓

初秋の候 皆様方におかれましては、ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。

 

さて、令和元年10月からの消費税率変更並びに諸費用の値上がり等より、当院の施術価格を改訂させていただくことになりましたので、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

 

新価格については下記ページでご確認頂けます。

https://kyu-shinkyu.com/infomation/

 

 

今後ともスタッフ一同、患者様の健康回復により一層努めて参りますので、引き続きご愛顧の程、よろしくお願い申し上げます。

敬具

前回の続きで、頭痛を東洋医学の見地から見てみたいと思います。

 

 

 

東洋医学では、頭痛の原因を大きく3つに分けて考えます。

ひとつは外邪の影響を受けて現れるケース、もうひとつは気血の流れが悪くなって起こるケース、そして気血の不足が原因となるケースです。

 

 

…そんなこと言われても、なんのこっちゃ??ですよね。

 

 

ではひとつずつ説明していきますヽ(`∀´)ゝ

 

 

 

まずは外邪の影響を受けて現れるケースから。

 

 

これは簡単に言えば「外的(自然)環境の変化」によって引き起こされる頭痛です。

 

外的環境の変化によって体に不調を起こす因子のことを ‶ 外邪 ″ とか ‶六邪″ や ‶ 六淫 ″ なんて呼びます。外邪には「風邪(ふうじゃ)」、「暑邪(しょじゃ)・火邪(かじゃ)」、「湿邪(しつじゃ)」、「燥邪(そうじゃ)」、「寒邪(かんじゃ)」等があります。

 

 

うっかり風がよく当たるところに座っていたり寝てしまったりすることで、風邪が体に侵入し、気血の巡りが悪くなることで頭痛が起こります。

 

これは風邪の性質が「陽邪であり、陽位を犯し」ために起こります。

 

わかりやすく言いますと、風はヒューヒューとよく動き同じ場所に留まらず、上行しやすい特徴があります。動的な性格は陰陽で分けると「陽」に分類されるため「陽邪」となります。

そして、風邪は人体を上・中・下に分けたとき「上の部分=みぞおちから上の部分」を襲いますので「陽位を犯す」となり、頭痛や鼻づまり、のどの痛みなどの症状が現れやすいのです。

 

 

さらに風邪は他の外邪とともに合わさって侵襲することもあります。

 

寒邪 + 風邪で風寒頭痛。いわゆる風邪(かぜ)をひいた時の頭痛で後頭部から首にかけて痛みます。

 

湿邪 + 風邪で風湿頭痛。湿はべったりしたスライムみたいなものですから、頭重感を伴う頭痛がみられます。天気痛に多いのはこのタイプになります。

 

熱邪 + 風邪は風熱頭痛。熱っぽく張った感じの痛みで、インフルエンザの時の頭痛のイメージでしょうか。

 

 

 

では次に、気血の流れが悪くなって起こるケース、いってみましょう。

 

 

○「気」が滞る、ストレス頭痛

東洋医学の「肝」は蓄えた「血」を全身に送り、「気」を伸びやかに循環させる臓器です。頭痛は気血の流れが滞ることが原因のひとつとなるため、肝の臓の働きと頭痛には深い関わりがあります。

 

肝は人間関係やプレッシャーなど精神的なストレスの影響を受けやすく、そうしたストレスで肝に負担がかかると、エネルギーである気の流れが悪くなる「気滞」という状態になります。すると意思や感情のスムーズな流れが滞り、鬱々としたりイライラしたりするようになります。

 

気の巡りの停滞は熱を籠らせ、熱は上昇する性質があるため頭部に熱がたまり頭痛、目の充血、口の渇きなどが起こりやすくなります。

 

このタイプの頭痛は緊張したり、ストレスを受けると頭痛がしたり症状が悪化します。片側(両側の場合もある)が張ったように痛みます。その他、めまい、イライラ、不眠、胸や脇の痛みなどを伴うことが多いなどの特徴があります。

 

 

 

○胃腸の弱りによる頭痛

胃腸の弱りや、不摂生な食事も頭痛の要因のひとつです。こうしたことによって体内にドロドロの不要物(湿痰)がたまり、それが体質的に頭部に偏りやすいと、頭の気血の循環が妨げられるため頭痛が起こります。

 

このタイプの頭痛は、雨や湿気が多いと頭痛が起きたり痛みが増幅する、前頭部が重く痛む、お酒や脂っこいものを多く摂った日の後などに悪化しやすい、痰が絡みやすいなどの特徴があります。

 

 

 

○ドロドロ血で血液の流れが悪い、瘀血頭痛

食事の不摂生や冷え、過労でドロドロ血になったり、冷えや過労で血行が悪くなったりすることで頭痛が起こります。高血圧や糖尿病など慢性疾患を患っている方にも多く見られます。また外傷の後遺症としての頭痛の多くはこのタイプです。

 

このタイプの頭痛は、繰り返しやすく、なかなか治りにくい、慢性で痛む部位は固定している、刺すような痛みなどの特徴があります。

 

 

 

ここまでが気血の流れが悪くなって起こるものでした。

では最後、気血の不足が原因となるケースを見ていきましょう!

 

 

○脳の栄養不足による頭痛

脳に栄養が行かず、正常に機能しなくなることで頭痛が起こります。

 

東洋医学で脳は、血や精、そして気という栄養物質によって養われ、正常に働けると考えます。慢性疾患や過労、胃潰瘍などの慢性的なものも含めた出血、分娩、脾胃(消化器系)の不調などで体内の気や血が不足すると、脳も栄養不足の状態に陥ります。それが頭痛を引き起こす原因になります。

 

このタイプの頭痛は、疲労時に悪化しやすい、痛みはそれほど強くないが慢性的に痛む、その他、疲れやすい、顔の色つやが悪い、食欲不振などの症状を伴うことが多いなどの特徴があります。

 

 

 

○元気が足りない、エネルギー不足による頭痛

東洋医学が指す「腎」とは単に尿を作るだけでなく、生命力の源が詰まっている場所です。そして腎には脳を養う「髄(ずい)」が蓄えられており、脳の健康と深い関わりがあると考えます。したがって、腎の不調も頭痛の原因のひとつとなります。

 

このタイプの頭痛は、痛みは空虚な感じでそれほど強くはないが慢性的に痛む、その他、腰の痛み、耳鳴り(ジーという低い音)、疲れやすい、眠りが浅いなどの症状を伴うことが多いです。

 

 

 

長くなってしまいました…説明は以上です。

 

西洋医学の見方とは全く異なるので、「こんなのが頭痛の原因になるのか!?」と思われた方もいるかもしれませんね。

 

東洋医学では、頭痛は頭だけの問題ではなく、身体全体の不調と考えて対処します。頭痛の予防には自律神経を整えることや睡眠の質を高めること、ストレスをためないこと、バランスのよい食事を摂ることなど日常生活の改善が大切です。

 

そして鍼灸は全身のバランスを整えることにより、頭痛の起きにくい体質に改善することが可能です。つまり、根本からの治療ができるということなのです。慢性的な頭痛に悩まれている方は、試してみてはいかがでしょうか。

私の実家がある九州に台風が接近しつつあるようで、自然災害・気象情報には気が抜けない今日この頃です。

 

 

 

ところで、台風が近づくと、頭痛やめまい、関節痛、しびれなどを発症したり、症状が悪化することはありませんか?

 

 

 

その不調は「天気病」や「天気痛」などと呼ばれ、自律神経の不調と密接に関係しています。

 

 

 

「気象病」について、詳しい機序は不明ですが

 

 

 

経験的に、天気の変わり目(気圧変化など)が人体の健康に影響を及ぼしていることは、お気づきの方も多いでしょう。

 

 

 

東洋医学の古典では、すでに二千年以上前から気象によって様々な不調が起こることが書かれており、気象病のような症状にも対応策があります。

 

 

 

そこで今回は、気象病の症状の中でも、悩まされている方が多い「頭痛」に注目してみることにしました。

 

 

 

西洋医学、東洋医学の両見地から「頭痛」の分類と治療について書いていきたいと思います。

 

 

 

 

 

まず西洋医学からみた「頭痛」の分類ですが、国際頭痛学会では頭痛を「一次性頭痛」と「二次性頭痛」に大別しております。

 

「一次性頭痛」とは慢性頭痛あるいは機能性頭痛と呼ばれるもので、原因となる他の病気がなく、繰り返しおこる頭痛を指します。「二次性頭痛」はくも膜下出血や脳出血、髄膜炎、脳腫瘍など他の病気が原因で起こるもので、命に関わるような頭痛を指します。

 

 

 

ここでは気象病で起こる頭痛、一次性頭痛について詳しくみていきます。

 

 

 

一次性頭痛は主に「緊張型頭痛」「片頭痛」「群発頭痛」の3つに分類されます。

 

 

 

片頭痛:

何らかの理由で脳の血管が急激に拡張して起こります。脳の血管が拡張することで、周囲の三叉神経を刺激し、刺激で発生する炎症物質がさらに血管を拡張して片頭痛を発症します。

 

心身のストレスから解放されて、ホッと気を抜いた時に片頭痛が起こりやすくなります。その他、寝過ぎ、寝不足、女性ホルモンの変動、空腹、疲労、光や音の強い刺激なども誘因とされています。

 

片頭痛が起こる直前には肩こりが出ることもあり、こめかみから目のあたりがズキンズキンと心臓の拍動に合わせるように痛みます。頭の片側だけが痛いとは限らず両側が痛むこともあり、日常生活に支障がでることもある発作性の頭痛です。

 

体を動かして頭の位置を変えるとき、痛みが強くなる特徴があります。また、頭痛以外に吐き気、嘔吐などの随伴症状があり、光、音、におい、気圧や温度の変化に対して敏感になることも特徴です。

 

時には「チカチカ」光る点が見える(閃輝暗点)などの前触れ症状が見られることもあります。

 

いったん痛みだすと4~72時間続き、1か月に1、2度、多い人では週1回と周期的に繰り返します。

 

治療の主体は薬物療法です。急性期治療と予防療法では使用する薬物が異なります。

アセトアミノフェン、NSAIDs、エルゴタミン、トリプタン、制吐剤などが症状や重症度に応じて処方されます。

 

 

 

緊張型頭痛:

筋緊張性頭痛、筋収縮性頭痛とも呼ばれ、こめかみ辺りの筋肉や、肩や首の筋肉が緊張することで起きます。筋肉の緊張で血流が悪くなった結果、筋肉内に老廃物がたまり、その周囲の神経が刺激されて起きる痛みです。

 

緊張型頭痛を引き起こす原因は、精神的・身体的ストレスであることが多く、パソコンの操作などで長時間同じ姿勢を取り続けている人に起こりやすい病気です。また、筋肉の緊張ではなく、うつ病など心の病気が原因となる緊張型頭痛もあり、「片頭痛」と併せ持つ人もいます。

 

後頭部から首筋を中心に頭全体がギューッと締め付けられるように痛みます。一般的に片頭痛より頭痛の程度は軽く、寝込んだり嘔吐するなどの症状はありません。

 

治療は、NSAIDsなどの消炎鎮痛薬などが主となります。また、予防薬として抗うつ薬や抗不安薬、筋弛緩剤などが処方されます。

 

 

 

群発頭痛:

原因には諸説あり、未だメカニズムが解明されていません。

 

片目の奥をえぐられるような激しい痛みが1~2か月間、連日連夜起こるのが特徴です。また、片頭痛は動くと痛みが強くなるのに対し、群発頭痛は激しく動くと痛みが和らぐため、痛い時に暴れたり、壁に頭を打ち付ける方もいるようです。

 

痛みの発作は、1~2か月過ぎるとまったくなくなりますが、通常は半年から2~3年後に同じような痛みが周期的に起こることが多いようです。

 

治療は、スマトリプタン皮下注射や酸素吸入も有効とされています。薬物療法以外には神経ブロック療法がおこなわれることもあります。

 

 

 

 

頭痛の大多数が一次性頭痛に分類されるものですが、医療機関で検査をしても異常が見られないため根本的な治療が難しく、消炎鎮痛剤などを服用して痛みを抑えているという方が少なくないようです。

 

それなら東洋医学は頭痛とどう向き合うのか…

 

次回は頭痛の東洋医学的分類を書いていきたいと思いまっす!

こんにちは。

昨日も残暑、今日も残暑、一体いつになったら涼しくなるんざんしょ?

 

 

…はい。つまらないこと言ってないで、前回の続きを書いていきます!

 

 

 

 

前回は、五節句というものがあり、そのうちの4つまでをご紹介しました。

今日は五節句の最後、9月9日の節句についてです。

 

 

 

 

今はあまりなじみがありませんが、9月9日は「重陽(ちょうよう)の節句」です。

 

 

重陽の節句は、「陽」の中で最も大きな数字である「9」がふたつ重なることから「陽が重なる」で重陽とされ、大変めでたい日とされたのです。

 

 

ちょうど菊の花が咲く頃だったので、菊を観賞したり、菊花酒を飲んだり、菊花茶や八宝茶などを頂きながら邪気を祓い、長寿を祈りました。そこから「菊の節句」とも呼びます。

 

 

新暦となった今、9月9日では菊の収穫時期には早すぎるということが、他の節句に比べると影の薄いものになった原因と言われています。

 

 

 

 

菊は古来より薬草として用いられ、頭痛や目の病気に効果があり、寿命を伸ばす力があるとされてきました。

 

 

漢方薬菊花には熱を冷まし、老廃物を排出し毒素を解毒し、炎症を抑えて腫れ物をとり、血の巡りを良くする効果があるとされています。

 

 

特に肝の働きを良くする働きに優れていて、中医学で肝の臓と関係が深いと言われる目にも作用します。目の疲れや乾き、充血などに効果があります。プーアール茶に菊花を入れて菊普(コッポウ)茶として飲む習慣があるそうですが、夏の暑さの名残を取るためにも良いようです。

 

 

 

 

「節句」は季節の節目に五穀豊穣、無病息災、子孫繁栄などを祈り、神様へお供え物をしたり、邪気を祓ったりする行事のことですが、これから迎える季節に対応するための養生の知恵も含まれているものだと思います。

 

 

体調を整える意味でも、季節に合わせた節句の行事を行ってみてはいかがでしょうか。

 

 

もちろん鍼灸治療も季節に合わせた身体作りができる治療法です。

毎年同じ時期に体調を崩される方、ぜひ治療を試してみてくださいませd(´∀`*)ネッ!

先日の九州北部の豪雨では、大変な被害がでましたね。

被害にあわれた方々に対して、心からお見舞い申し上げます。

 

 

毎年、大雨などの自然災害が発生していますね

特に季節の変わり目に多発します。

 

この時期は気圧や天候の変化が目まぐるしく、朝夕の寒暖差もあります。

 

 

このような外部の変化とともに、〝最近、体調に変化が起こっている″と感じ始めている方もおられるのではないでしょうか。

 

 

中医学には「人間は自然の一部」という考え方があります。ですから、自然の急激な変化は人間の体にも多かれ少なかれ変化をもたらし、様々な症状を引き起こすと考えます。

 

 

そのため、昔から人々は、季節による体調の変化に対応するための知恵を残してきました。

 

 

今日はそんな知恵のひとつをご紹介いたします(o゚Д゚)ノィャッホィ♪

 

 

 

 

みなさん、五節句はご存知でしょうか?

 

 

1月7日、3月3日、5月5日、7月7日、9月9日を五節句と呼びます。節句は季節の節目となる大切な日とされます。暦の中で奇数の重なる日を選び、祝い事や様々な行事を行う日だったのです。

 

 

 

では、なぜ奇数が重なる日が選ばれたのか?

 

東洋医学にも通じる「陰陽論」の考え方からきております。

陰陽論では、奇数は「陽」で縁起の良い日、偶数は「陰」で縁起が悪い日と考えます。

 

奇数の月と奇数の日は、奇数(陽)が重なって偶数(陰)に転じるということで、それを避けるために季節ごとの旬の食べ物を食べ、生命力をもらい、その力で邪気を祓う目的で避邪(ひじゃ・魔除けという意味)が行われていました。

 

 

 

その名残は現代でも残っています。

 

1月7日は人日の節句で七草粥を食べ、3月3日は上巳の節句(桃の節句、ひな祭り)、5月5日は端午の節句、7月7日は七夕の節句、そして9月9日は…

 

 

9月9日は………

 

 

 

長くなりそうなので、この続きはまた次回ということに。

 

でゎ|゚∀゚)ノ)))) ババーィ |)≡サッ