めまい ②

前回の続きですね

どうしてめまいが起こるのか、について書いていきます。

 

 

 

…ですが、その前に

 

 

 

まずは異常を知るには、正常を知ることから始めたいと思います。

 

 

 

頭が今どういう位置にあり、どういう動きをしているかを感じるセンサーは、左右の耳の奥の内耳にあります。

 

~めまいのQ&Aより~

カタツムリによく似た姿のこの装置は「半規管」「平衡斑」「蝸牛」という三つの部位の集合体です。このうち「蝸牛」は音を聴く装置なので「半規管+平衡斑」を合わせたものが平衡感覚のセンサーです。

センサーでキャッチした情報は「前庭神経」を通って小脳や橋や大脳へと伝えられます。小脳では①内耳のセンサーでキャッチした位置情報 ②視覚からの情報 ③筋肉や関節で感じる感覚 を統合整理して、最も適切な運動や姿勢をとるよう指示し、制御します。

この仕組みによって身体のバランスが保たれているのです。

 

 

 

正常な平衡感覚コントロールが分かったところで、次に異常を見てみましょう。「めまい」は、このバランスを維持するシステムのどこかに異常やズレが生じることにより起こります。

 

 

 

そのパターンとしては、

 

①センサーである内耳に異常が生じる

②センサーと脳をつなぐ神経に異常が生じる

③情報を統合して平衡感覚をコントロールする脳に異常が生じる

 

などが挙げられます。

 

 

 

そして、めまいを引き起こす原因がどこにあるのかで症状の出方が変わります。

 

 

 

情報を統合する脳は、頭のまんなかに存在します。これに対して、センサーは両耳の中にあり、センサーと脳は神経でつながっているので、センサーと神経は左右それぞれにあります。

センサーと神経はたいていどちらか一方に異常が起こります。この時起こるのが「回転性のめまい」となります。回転性めまいの場合は、内耳や神経の異常が考えられ、ほとんどが生命の危険がないめまいですが、なかには急性の脳卒中で起こるものもあります。

 

一方、脳は頭のまんなかにあって、左右からの情報を同時に制御しています。ですから、脳に異常が起きた場合は、左右ともいっぺんに異常が出たのと同じ状態となり、この時に起こるめまいが「浮動性のめまい」または「前失神」となり回転は伴いません。

 

 

 

回転性めまい、浮動性めまい、前失神などをきたしうる疾患は前回の記事にあげたものがあります。

 

 

 

 

めまいは比較的よく遭遇する病態ですが、なかには命に関わる危険なものも存在しますので、意識を失う、ふるえやしびれがある、麻痺がある、などの神経症状と一緒にふらつきが起こった場合は、脳の異常が原因の危険なめまいが疑われるので注意が必要です。

 

 

 

これで西洋医学的なめまいに関しては以上となります。

次回からは東洋医学的にみた「めまい」について書いていきたいと思います。

 

続く。